スモールフェイセズ
スモール・フェイセズといえば、いうまでもなくザ・フーと並ぶモッズ・ムーブメントの代表的なバンドということになる。 実際、60年代の彼らはモッズ・ムーブメントが生んだ最大のヒーローであり、彼らがいたからこそ60年代のイギリスの一過性のムーヴメントでしかなかったモッズが、ネオ・モッズなどのフォローワーを生み得たと考えて間違いないことだ。
彼らがこの「モッズ」というイメージ、ムーヴメント自体をも背負ってしまったからではないかと思うのである。例えば、モッズ・ムーブメントのもう一方の大物であったザ・フーは、あっさりとモッズのイメージを脱ぎ捨て、ロック界をリードする大物バンドとして君臨するに至った、
スモール・フェイセズの方も67年以降、ドラッグにのめり込んでサイケ・ポップなサウンドに大胆に方向転換したにもかかわらず、結局この「モッズ・バンド」というイメージを完全に拭い去れないまま、あっさりと解散の時を迎えてしまった。