WAR IS OVER!
70年代ROCKは僕たちに何にを教えてくれたんだろう
Aoxomoxoa [CD, Original Recording Remastered, Import, From US]
ザグレートフルデッド
1965年、ジェリー・ガルシアを中心にサンフランシスコで結成、1967年にデビュー。当時サンフランシスコで勃興したサイケデリック・ロックのバンドとして人気を得るが、アルバムのセールスは芳しくなかった。きっちり作り上げられたスタジオ録音作品を聴かせるよりもライブでの即興演奏の方にバンドの妙味があり、やがてはそれが最大の売りとなる。
とはいえ、ガルシアは「我々はひとつの曲を完成させるには三年は演奏しなくてはならない」と発言している。
サイケデリック文化の衰退後も、脱退や死亡によるメンバーチェンジを頻繁に繰り返しながら米国随一のジャムバンドとして精力的なライブ活動を続ける。興が乗れば一つの曲で数十分も演奏を続けるため、長いときは公演時間が8時間に及ぶこともあったという。
即興型のロックが退潮した1980年代以降も根強い人気を保ち続け、スタジオ録音作品を出さずともコンサートの動員数や収益は常にトップクラスにあった。またデッドはライブの自由な録音と交換を許可したバンドとしても知られた。会場には録音者(テーパーと呼ばれる)のためのスペースまで確保されていたほどで、それゆえ高音質の音源が多い。録音されたライブ音源のカセットなどはその後ファンの間で交換され、ライブへのさらなる動員を促した。
「デッドヘッズ」と呼ばれるファンの熱心さを見てもわかるように、ロックバンドの枠を越える大きな存在である。アメリカのヒッピーや反体制派、民主党や緑の党を象徴するグループとも言える。親子二世代に渡るファンを獲得することで1990年代に入っても人気を保ち、1994年にはロックの殿堂入りを果たす。しかし1995年8月9日、リーダーのガルシアの死去によってバンドは活動停止を宣言、解散した。