
RIDE SALLY RIDE ルーリード
ルー史上の中でも代表曲のひとつとされる「Ride Sally Ride」「Sally Can't Dance」「Kill Your Sons」といった名曲が揃うが、イマイチよい評価を受けていない盤ではある。それはほとんどアレンジのせいと言っていいと思う。D1、2、7、8での大袈裟なホーン・アレンジメントはおおよそルー・リードには、ルーの声には似つかわしくない。また黒っぽいバックコーラスも大袈裟過ぎる。特にD2などは痛々しくもある。
傑作『ベルリン』を出した後、かなり行き詰まっていたのではないかと思う。『ロックンロール・アニマル』然り、次作『メタル・マシーン・ミュージック』ではまるで自暴自棄になったかのようだ。元々ルーには作詞作曲以外の音楽的センス、特に音に対するセンスはほとんど無いと言っていい。ギター、ベース、ドラムだけといったミニマムでシンプルな形で最も生きてくる。ここでは装飾華美的なアレンジが『トランスフォーマー』のようにはうまく施されておらず、発表から30年も経つとやはり大きな傷として目立ってしまっていることは否めない。
ただ曲はいい。上記3曲の他にもルーの歌の上手さが堪能できる「Baby Face」や本当にアンニュイな感じの「Ennui」なんかはベスト盤とかには選ばれ得ない佳曲である。