ちぐさ(横浜野毛)
ちぐさはジャズ喫茶の老舗中の老舗でジャズファンの間では伝説的なところでした。僕も上京する前からここの店の名前はすでに知っていていつか行ってみたいと思っていたジャズ喫茶でした。横浜桜木町の野毛地区。僕がここにはじめて足を踏み入れたのは1979年の事です。現在でもあまり野毛は変わっていないのですが、浮浪者や東南アジア系の人ガ多く、とにかく一般の人は足を踏み入れてはいけないそんな匂いがある場所でした。まだ10代後半だった僕はちぐさをみつける為にこの場所をうろうろしました。昼間からあいてる労働者らしき人たちがたまっている古ぼけた居酒屋、いつからやっているかわからない古い洋食屋、歩いている老婆の浮浪者らしき人、その雰囲気はまるで映画そセットのような場所でした。僕はこの雰囲気が大好きになってしまい、この野毛の地域は以来、ずいぶんと訪れる事になったのです。さて、肝心のちぐさは現在は閉店しお店さえなくなってしまいましたが、狭い店内によく通いました。お店はボロボロでしたが、ここが、あの、ちぐさなんだと言う思いだけで僕はなんとも言えない深い感動をいつも味わっていましたね
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